2.ロードかクロスかの選び方
運動ってのは祈りを捧げることにも似ていて、それは端から見るとほとんど宗教であるという考え方は間違っていない。
トレーニーは筋トレ教に入っているし、ランドナーはランニング教だ。
俺はチャリンカーなので御多分に洩れずチャリンコ教に入っているのだが、まあ大体どの宗派でも宗教活動の一環として「その素晴らしさを説いて信者を増やす」ことがほぼ能動的に行われている。
俺も布教活動を行っていきたいのだけれどもチャリンコ教は他の宗派と違ってハードルがちょびっと高い。
何せチャリンコは高いのだ。
だからまずはツールについて知ってもらうために少し書いてみようと思う。
5〜10万くらいの予算があって「やっぱ自転車楽しそうだし乗りたいなー!でも色々あって調べてみたけどロードバイクとクロスバイク、どっちがいいんだろう…」ってな感じの人向けに。
■定義
まずは定義から、でも実は定義は曖昧。
クロスバイクというのはロードバイクとMTBの中間だって言われているけれど、実際はどっちかに寄っているものが多い。
悪路を走るのでなければ個人的にはロード寄りのものがオススメ。
ロード寄りとクロス寄りの違いは下に書く。
■フォーク
前輪が付いているフォークに、サスペンションがあるかどうか、サスペンションがあると衝撃を吸収してくれる。
だけどもちろん弱点はその分だけ重くなること。また剛性が減るので力を入れて漕いでもサスペンションに力が逃げてしまうこと。
MTB寄りはサスペンションあり、ロード寄りはなし。ざっくり言うとね。
サスペンションがないものをリジッドフォークと言ったりする。
楽にスピードを出して走りたいならリジッドがオススメ。
■ブレーキ
ブレーキの種類が違う。
ロード寄りのものには普通のロードについているようなデュアルピボットブレーキがついている。対してMTB寄りのものにはVブレーキという違うブレーキがついている。
前者は主にスピード調整用、後者は固定する用途なので効きは後者の方が良いと言われている。
個人的にはデュアルピボットブレーキの方がずっと好きで、それはメンテナンス性から。
デュアルピボットは左右のアーチの作動軸が独立してるブレーキなんだけど、良いところは効きが緩いなーとか乗っていると感覚で伝わってくるものがこれまた感覚で器具なしで微調節出来るところ。
でも今はメンテナンス性といったもそんなに違わないので好きずきっちゃあそうかも。
俺はデュアルピボットが好きかなってことね。
■ハンドル
ロードにはドロップハンドル、クロスにはフラットバーハンドルがついているものが多い。
しかしクロスでもドロップハンドルのものもあり、またロードにもフラットバーロードがある。
でもなんとなーく大まかに分類すると(というか端から見てると)ドロップバーがロードでフラットバーがクロス、みたいな印象が強い人が多いと思う。
ドロップバーの下の部分は街乗りではそんなに使わない。だからフラットバーでも良いと思うけど、ちょっと競争っぽい感じになってくるとやっぱり姿勢の違いからくる空気抵抗が結構枷になるかな。
あと50キロ以上のロングライドもやってみたいってのなら断然ドロップハンドルをオススメする。
握り手で疲労度の分散が全然違うから、フラットバーで同じ姿勢で数時間漕いでいると肩とか背中がガチガチになっちゃうのよね。
色んな持ち方握り方が出来るドロップハンドルオススメ。
そこまでしないなら好み。
ただし、どちらかからどちらかに換装するには結構お金がかかる。
フラットバーはブルホーンにするって手もあるけどね。
■タイヤ
タイヤ幅はロードは20-23cくらい、クロスは28-35cくらいの大きさが多い。
タイヤの幅か狭ければ狭いほど路面抵抗が減るので楽チンに走れる。
安定性はあんまり変わらないけど、耐パンク性、乗り心地などが幅が広いほうが良いと言われる。
でも実際は幅のせいでパンクすることはあんまりないし(どんな幅でもパンクするときはする)、乗り心地はまぁ好み。
オススメは絶対細いタイヤ。
走るのが楽だし、やっぱ疲れないし、あの疾走感は病みつきになって楽しく走れる。
ちなみに径はだいたい700c、650cという小さい径のものもあってコッチは慣性モーメントの点から出だしがスムーズ。小柄な女性にもオススメ。
■フレーム
自転車の乗り味をほとんど決めるフレーム。
素材が重要でクロモリ(クロモリブデン鋼:鉄)、アルミ、カーボン、その他金属って感じになる。
クロモリはしなやかで、乗っていて疲れない。
重量は重めで寿命は手入れが良ければ長い。
アルミは軽いけど乗り味が硬め、また疲労限がないので徐々に疲労する。けど軽くて安価でアルミの自転車は多いし良いと思う。
カーボンはご存知巻き方とか繊維とかで全然違う。今のプロが使ってるのは殆どカーボンフレーム。特徴は値段が高いこと。あとめっちゃ軽い。テンションが上がるくらい軽い。
その他はマグネシウムとかチタンとかスカンジウムとか竹とかあるけど、まあチャリキチの世界よね。
■コンポ
コンポーネント、変速機やギアなどの駆動系をまとめてこう呼ぶ。ロードはロード用のコンポーネントがついている。クロスでロード寄りSORAとかの低めのグレードのものが付いているか、あるいはMTB用の低めのグレードのが付いていることが多い。
個人的にはレースに出なきゃ、手入れさえしてればあんまり関係ないかなとは思う。
けどちょっと通ぶりたい!って人は「シマノの105」って言っておけば良い。
■まとめ
そうねえ。
ロードにしよ。
えへ。
まあ、俺がローディーだからそっちに偏るねゴメンね主観バリバリで。
でもやっぱりロードでいいのはスピードが楽に出せて、さらに本格的にやろうと思えばそのまま山とか遠くにも行けること。
あとはレース用が主なので泥除けとか荷台とかつけると若干格好悪くなる、とか。
でもそれも自分の愛機って感じでいいと思う。
あとやっぱりドロップハンドルはアガるよ!自転車買った!って感じがするよ!
値段は8-10万くらいから。
クロスがいいのは手軽さとママチャリにはないスピード。街乗りでオススメなのはロード寄りのクロス。
重さが軽いし、スピードが簡単に出て快適だし、ロードほどレース用では全然ないしね。「あんなピタピタの服で街中闊歩して歩行者にも車にも疎まれて自己陶酔してるような人達と一緒にされるのはちょっと…」っていう人にも心理的ハードルはずっと低いと思う。
オススメのクロスバイクスペック(街乗りで20キロくらいを想定)
タイヤ:700c×23c(互換性的に)
フレーム:アルミかクロモリ
完成車重量:11kg(軽ければ軽いほど良いけど高くなる)
ハンドル:フラットバー
フォーク:リジッドフォーク(サスはフニャフニャしてるというか安いサスは無い方がマシ)
サドル:ロードっぽい硬いやつ(面積が小さい方が固定される、ケツの痛さはみんなそう慣れるもんだ)
コンポ:前シングル後8-9速くらいのディレイラー(前シングルはメンテナンス性からオススメ)
■最後に
もし買ったよ!って人がいたら一緒に乗りましょ!